ご質問と回答


こちらでは中古レーザーターンテーブルの販売や、修理は行っておりませんが、メールでいろいろなご質問を頂いております。

 

10年以上も毎日のようにレーザーターンテーブルを使用してきたユーザーとして また、個人的な趣味でアップグレードさせて頂いた幅広い年代のレーザーターンテーブルについても実体験に基づいたそれなりの知識と経験・体験があります。

 

ご質問を頂いたのはアップグレードされた方よりも一般の方の方が圧倒的に多く、本来はELPが回答するべき質問内容もあると思いますが、ユーザーとして分かる範囲でお答えしています。

 

また、同時に同じ質問をELPにもして下さいとお伝えしてあります。 幾つか頂いたご質問と回答は、これからレーザーターンテーブルを購入される方や既にお使いの方々への参考になれば幸と思い掲載をしました。

 

順不動

 


Q.1

レーザーターンテーブルで再生すると盤面にキズがあってもノイズは出ないのでしょうか?


A.1

レーザーターンテーブルで再生してもカートリッジで再生した時と同様にノイズは出ます。

また、盤面と接触部分が無いため溝のゴミや埃などをかき分けられないため、カートリッジよりもノイズが多く出ます。バキュームクリーナーとの併用が無いと辛いと思います。

 


Q.2

レーザーターンテーブルの音質は良いのでしょうか?


A.2

私自身は改良した現在の音を気に入っており良いと思いますが、音質については好みがあり、比較するプレーヤーやカートリッジまた再生するレコードによっても結果は異なると思います。

聞き慣れた装置または、良いスピーカー、良いアンプそして音響状態の良い環境の中でレーザーターンテーブルの音を実際にお聴きになるのが一番です。

現在は改善されていると思いますが、以前のELPの試聴室(LBL-4345 + McIntosh C-33 + McIntoshMC-2600)では、ハムが出ていた上に、部屋の音響状態が悪くとても試聴という状態ではありませんでした。 

レーザーターンテーブルにしか出せない音があることは事実で、溝の信号(振幅)を非接触で拾えるメリットは必ずあります。

 


Q.3

全てのレコードが再生出来るのでしょうか?


A.3

殆どのレーザーターンテーブルは33rpmのLP、45rpmのLP、EPに対応しています。

一部78rpm(SP)対応のモデルもありますが、 検聴程度の音質です。

当然ですが、極端に反りのあるレコードは再生出来ません。 また、万能機では無くカートリッジでは問題無く再生が出来るレコードでも女性ヴォーカルの『サ・シ・ス』などやドラムのシンバルが酷く歪んでしまうレコードも結構あります。

最近の重量盤(200g等)は重さの分レコードが厚くなっています。 レコードの厚さによっては盤面とレーザーピックアップの距離が規定の最小値、最大値をを超える場合もあります。

その場合は上手く再生出来ません。 ターンテーブルシートが長期の使用で薄くなったり、規格より薄いレコードの場合はシートに細工をして厚くすれば対応出来ますが、規格より厚いレコードの場合はターンテーブルに接着されているシートを剥がすなどして対応するしかありません。(ターンテーブル シートの交換を参照下さい。)

 


Q.4

レーザーピックアップの寿命はどれくらいでしょうか?


A.4

アワー・メーターが内装されていないのでハッキリした耐用年数はELPにお尋ね頂きたいと思いますが、アップグレードさせて頂いたモデルの中にはフィニャール 製(Finial Technology)のモデルも数台ありました。

オーナーのお話しでは毎日のように使われていたようです。

このモデルは製造から既に24年も経っていましたが問題無くアップグレードし音質も改善できました。

CDプレーヤーのピックアップと比べても大きさが10倍以上もある大きなピックアップですので定格にも余裕があると思います。

 


Q.5

中古のレーザーターンテーブルは購入しない方が良いでしょうか?


A.5

最近では中古で購入したレーザーターンテーブルをELPでメンテすると一律162,000円掛かるようになったそうです。

製品は内部コードとやらを込みで販売されているはずで、内部コードをなぜ登録切り替えしなければならないのか私にはか分かりません。

上記をされずに中古で購入されたレーザーターンテーブルのアップグレードも行いましたが、中古だから問題があるとは思いませんでした。

いずれにしても高額なプレーヤーなので購入される際は、動作・音質を十分確認してからの購入がベストです。

 


Q.6

レーザーターンテーブルを購入する予定ですが、それぞれの機械による音質の差(違い)はありますか?


A.6

ELPのホームページにも書かれているようにレーザーターンテーブルは手作りのプレーヤーです。

このため個々の音質の差(違い)は一般的なメーカーの音響製品より大きいと思います。

可能なら、楽器の購入時のように何台か試聴して自分の音の好みに一番合ったプレーヤーを購入することがベストです。 音質だけで無く、曲間のS/Nや歪み感、そして動作音なども注意して聴き比べましょう。

 


Q.7

ELP製アルミボディーのレーザーターンテーブルとこちらのホームページのものとの違いは何ですか?


A.7

どちらも私がデザイン(意匠)しましたので似ていますが、ELP製アルミボディーモデルは既に販売を終了しておりELP独自の新デザインモデルが販売されています。

私のモデルとELPのアルミボディーモデルの一番の違いは音質ですが、表面上では操作ボタンの数と大きさの違い、LEDランプの数と大きさの違い、液晶画面の色、電源SWの色、放熱カバーなどに違いがあります。

私の知る限りELPの前のモデルとELPのアルミボディーの違いは筐体とバランス出力の追加、それにLEDランプが特殊だったため新たにレギュレーター回路が追加されています。

しかしながら基本となるオーディオ回路は以前のフィニャールモデルと相違無いようです。

また、防振対策等は行われていませんでした。

 


ELPにデザインを貸与し、ELPが1年間のみ販売を行ったアルミ筐体モデル
ELPにデザインを貸与し、ELPが1年間のみ販売を行ったアルミ筐体モデル
個人的により完成度を高めたモデル
個人的により完成度を高めたモデル

Q.8

LINE出力モデルとPHONO出力モデルではどちらが音が良いでしょうか?


A.8

これは難しい質問です。 私がこれからELPのレーザーターンテーブルを購入するのなら、内蔵されているフォノイコライザーよりも外付けの良いフォノイコライザーを持っていますので、PHONO出力モデルを購入します。

ただ、レーザーピックアップの出力はかなり大きく基板を引き回され最後に抵抗で一般的なフォノイコライザーの入力レベルと抵抗値に合わせています。

私はこれが嫌で、出力が大きいため利得を稼ぐ必要がないシンプルで最高のパーツで構成した専用基板と共にフォノイコライザーを作り内蔵させています。

良い外付けのフォノイコライザーを持っているかどうかにより選ばれた方が良いと思います。

また、最近知りましたが、ELPでもPhonoイコライザーを販売したようですが、価格が余りにも高すぎると思います。

 


Q.9

ノイズ・ブランカーは音質に影響があるのでしょうか?


A.9

ノイズ・ブランカーはレコードノイズを低減するためのものです。 しかし20年以上も前に設計されたアナログ方式のノイズリダクションではどうしてもノイズ以外にも影響を及ぼします。

また、ELPの全てのレーザーターンテーブルは、ノイズ・ブランカーをOFFにしても回路から完全に切り離すことが出来ず音質に影響を与えます。私はこのための改良としてノイズ・ブランカーの切り離しを行っています。

 


Q.10

レコードがトレイに引き込まれ暫くするとHbadと表示される事が多くなりましたが故障でしょうか?


A.10

幾つか原因が考えられますが、一番多いのはトレイが最後まで引き込まれていない可能性があります。

その際は、レコードの引き込みが完了した際に軽く指でトレイ正面カバーを奥に押します。

もし奥に行くようであればトレーの開閉を行っているモーターベルトの劣化が原因です。

また、常にHbadが出る場合はピックアップの光軸ズレなどの原因があると思います。

使いこなしのページもご参照ください。

 


Q.11

エージングに時間が掛かると言われていますがどの位掛かるのでしょうか?


A.11

再生状態で20〜30分掛かかります。 エージングに一番時間が掛かるのは回路では無くレーザーピックアップです。

ピックアップ自体が大きく 重いため動きになじむまで時間が掛かります。

またピックアップ内部に埃が入るのを防いでいる蛇腹のカバーも熟れるまで時間が掛かります。

まるでスピーカーエッジのようです。

 


Q.12

改良をした際のLINE出力レベルとインピーダンスを教えて下さい。


A.12

こちらで改良した場合のLINE出力はアンバランスでCDプレーヤーとほぼ同等の2.3VRMSで、インピーダンスは600Ωとなっています。

 


Q.13

ノイズ・ブランカーを外し、オーディオ基板を新たに内蔵させると幾ら掛かりますか?

また、他にどんなアップグレードがあるのでしょうか?


A.13

ノイズ・ブランカー回路を外し、こちらで作ったイコライザー基板を内蔵させさせると120,000円掛かります。

これにより出力はLINE出力となります。

かなり良いパーツを厳選し使用しますが、イコライザー部全てにVISHAのVSR 0.1%抵抗を使用すると20,000円程追加となります。1本 1,000円もする抵抗ですが本当に素晴らしい音質です。

 

また、最近はオーディオ出力にオペアンプ(MUSES-03 × 2)を使用しています。

こちらを使用すると金額も変わります。

 

これ以外に、ピックアップ移動をギヤからワイヤーに変更するアップグレード、筐体をオールアルミ製に変更するアップグレードなどがありますが、個人の趣味で行っているためご希望に添えないことが多々あると思います。

現状は新たな外付けの電源部を作り、別筐体から本体に電源供給するようにしています。

 

ただ、申し訳ありませんが現在は新たな改良をお受けしておりません。

 


Q.14

レーザーターンテーブル設置での注意点は?


A.14

先にも書きましたが、レーザーターンテーブルはアナログ・プレーヤーです。

一般的なプレーヤー同様に水平バランスをとり、しっかりした台の上に置くことは同様です。

水平バランスが取れていないと重いピックアップ移動に負荷かかり、より多くの補整サーボ電流が必要となります。このため音質にも良くありません。

 


Q.15

購入時の注意点は?


A.15

個人的な経験では製造の新・旧はあまり問題ではありません。

ELPでも言っているようにハンドメイドに近いため個体にバラツキがあります。特にレーザーピックアップの影響は大きく、光軸ズレのあるものは安価なレコードプレーヤーにも劣ると思います。

出来れば購入の前に試聴する事をお勧めします。

 

また、以前と異なりELPから直接購入したレーザーターンテーブル以外はベルト交換でも最低で¥168,000以上かかるそうです。